2011.06.01【未分類】
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3年経過して、どれだけのことが進んだのか… 当時、何故このページを記載したのかトップページに書いてありましたが、更新の度に トップページも変えているので、全く判らない状態になっていることに気付きました。 基本的に過去の記載を削除することはしないので(2007年分は画像データが多すぎて 容量オーバーで次が入らなくなったので削除しましたが)補足説明します。 このページは同業者向けに、次に行く人の参考になればと思ったので書きました。 しかし、何の反応もなく、どなたの役にも立たなかったようでした。 ただ、意外にも飲料メーカーの関係者が見たようで「おかげさまでペットボトルの水が 沢山届いた」ということを聞きました。少しは役にたったようでよかったです。2014.8.28
地震後、しばらく経ってから最近親戚になった家が流されてしまったということを聞き 仮設住宅なり何なりに入居する時に、必要な物の中に食器がある…届けなくてはと 思いました。そして、親戚だけ?……普段の恩返しをする時じゃないの?
この仕事を始めてから数年は夢中で、作ることが楽しくて仕方ないという毎日でした。 しかし、この数年、ラジオ・新聞(TVはあまり見ないので)でのCo2の環境負荷の話題が 気になり、後世に残すべき窯でもなく、芸術品でもなく、伝統的な益子焼でもなく… Co2をこれだけ出して焼く価値があるのか…と自問自答することが多かったのです。 今も思いますが、答えは出ません。ただ、窯の数は減らそう…と意識はしています。 お客さんに喜んでもらうことと、Co2を出すことを差し引き、プラスにならなくとも せめて0になれば…と考えたりしていた時に、今回の震災が起きたので、こんな時に 役に立てたら…と思いました。自己満足なのだと思います。
実家の隣の市なので陸前高田の仮設住宅に器を持って行ってきました。 役所が流失していて情報も集められませんでしたが、姉が市役所に問い合わせ 仮設住宅の代表者と直接やり取りした方が話が早いとのことでした。 私もネットで情報収集をしたところ、役所は「価格が不均衡な焼き物は不公平になる」 という理由で受け取り拒否されたということもあったようなので、直接仮設住宅に 持って行って、現物を見てもらい気に入ったものがあったら使ってください…という 方法がいいのではないかと考えていたので、私にできる規模の仮設住宅の代表者に 電話連絡して行きました。持って来てもらっても、陳列する台(机)もないし、保管する テントもない…という話でした。何もかも流されてしまった所に行くのに、もとより、 何も準備してもらうつもりはなく、台も持って行って陳列して、残った物は持ち帰ります。 ということで、飯椀・カップ・皿は入居者数よりも多い数を持って行かないと…と思い 陶器市後なのと、暗い感じの秋物は外したのでアウトレットだけでは足りず、定価品も 持って行ったので不公平になるかとも思いましたが、価格の高いものがいいものとは 限らないので、それは構わないのではないかと今でも思っています。 小鉢や薬味入れ、爪楊枝入れ…こまごました物、コンテナ10箱(1箱は親戚)しか 積めないので、それだけ持って行きました。 ナビの付いている義弟の車で現地に9時過ぎ到着。自衛隊の物資輸送の車が去り その場所に台を作り、品物を並べ始めたら、人がチラホラ出て来て、代表者の方が 「出すの手伝って」と声かけすると、皆で並べ、人も増え、あっという間に並びました。 義弟が「一人何個と制限した方がいいんじゃないか」と言うのに、ご飯茶碗は一人1個 しか使わないでしょう…同じ住宅の住人だもの…と何の制限もせずに、どうぞと やったものだから、30分間あったかどうか…何もなくなってしまい、後から来た人に 「もう来ないの?」と聞かれ、申し訳なくて…地震で割れなければ、もう1回位来れた かもしれないなぁと仕様もないことを考え、自分の甘ちゃんぶりを思い知らされました。 通常時ではない、非常時なのです。貰っておかないと、あぶれてしまう…苦い経験を イヤというほど味わって来たのだろうと後で思いました。 バケツを持って来て一杯にしている女性を見て「ムッ!」としてしまった私ですが、 仕事で留守の隣人等に頼まれていたのかもしれない…とこれも後で思いました。
振り返ってみれば 「11時からはじめます」という風にアナウンスして、見やすいように、ちゃんと並べて、 「入居者の150人分のご飯茶碗・カップ・皿は持ってきてます。一人5個まででお願い します。18時過ぎに残り無制限にします。」とでもすれば良かったです。 最後に箸置きと花留めが少し残っていて、これは何に使うの?と聞かれたりもして 用途が解らずに持って行った人もいるだろうと思いました。見本に活けるつもりで 持って行った花も活ける間が無かったです。最後に訪ねた女性にエプロンの中にある カップを借りて、その中に花留めを置いて「こうして、花を挿すと口の広いカップや鉢でも ぐらぐらしない…かわいいでしょ」と話すと嬉しそうな顔をしてくれました。 こんなやりとりをしながら夕方までいるつもりだったけど…残念でした。 このHPの1ページ目の写真のミニ水盤セット、見本に活けて見てもらうつもりで 持って行ったけど、活ける間もなくどなたかの家に行ったようですが、少し心配です。 まっ、何をどう使うかは、それぞれのアイディア次第なので、いいのですけどねぇ…。 後片付けをしていると、お花のカップに冷たい飲み物を持って来てくれた人がいました。 仮設住宅に入居しても断水で水汲みに行っている貴重な水で作った氷が入っていて とてもおいしかったです。この二人の女性が居る所に、義援金の申し込みに行っていた 女性が帰ってきて「あら~もうないの?お店では全部益子焼を使っていたの。 流されて何も無くなってしまったけどね。残念だわ。」と言うと この二人が私のを1個あげる、1枚あげると言ってくれて嬉しいの何のって…きっと こんな風に、分け合っているのだろう……と自分の至らなさを慰めています。
箸置きは「使わない」という人が多いので、あまり持って行かなかったのですが かさばる物でなし、150人分くらい楽に持って行けたので、後悔してます。 無くてもいいものだけど、見ているだけでホッとするというか、ニコッとなるような箸置き。 小さな花瓶も喜ばれるかもしれないなぁと思いました。 楊枝入れはあるだけ持って行きましたが、1世帯1個あると良かったと、これも後悔。
花留めの使い方を尋ねた女性から、お手紙をいただきました。 封書の表書きを見た時、母位の年齢の方か…と思ったとおり80才に近いとのこと。 御縁ですね、母の旧姓と同じなので不思議な思いがしました。 『涙の出る暇もない2ヶ月半でしたが、仮設の我が家に花を見ることができ 涙が出る程嬉しく心が癒されました………数分の間に家は流され 人は枯れ木から這い上がり、流されていく人をを助けることもできない、もどかしさ…… きっとあの時いただいた人達もみんな思いにふけっている事でせう……』 私の方が救われました。
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